2019年7月23日(火)

▼参院選最終日の20日、コンビニのイートインで年配の女性が2人。「あれを言ってはあかんわ。難しくてよう分からんも」。選挙の話題か。聞き耳を立てたら「ウソついたらあかん。カネは受け取ったと最初に謝ったら、事務所もクビにはしなかったと思うわ」。闇営業した芸人の記者会見の話だった

▼テレビは会見とその関連報道でもちきりで、参院選が陰に押しやられたが、たまたまでもないようだ。テレビの参院報道は前回比3割減。民放だけなら4割減で、選挙が盛り上がらず、視聴率が稼げないためというから、報道の中身がおよそどんなものか、見当がつこうというものだが、興味本位に取り上げて勝手に盛り上げていたのは誰だったか

▼激戦を制した勝者の歓喜のバンザイと敗者の謝罪という選挙風景は旧に変わらねど、じりじり下がる投票率とのアンバランスが際立ってきた。県は51・69%で過去2番目の低さ。全国は50%を割った。漸減傾向の中での話である。無関心というより、与党が訴えた「政治の安定」に多くの国民、県民がうなずいた結果だろう

▼立憲民主党の伸長や「れいわ新撰組」の躍進に改革への期待を見ることはできるが、モリカケ問題などなど、目を覆う疑惑も結局、何事もなかったかのように過ぎていく。野党への期待は膨らまない。投票先を見いだせない層も、投票率を下げる要因だろう

▼野党批判ならいいが、政府・与党攻撃はたちまち「政治的発言」になる息苦しい世の中だ。国会が不安定になって、生活の足を無駄に引っ張らないように―。赤子をあやす心境かもしれない。