2019年7月15日(月)

▼参院選も残り一週間。県選管が選挙の質疑応答に特化した自動回答プログラム「チャットボット」を導入、利用を呼びかけている。公示日の選挙管理委員会委員長談話は、いつものパターンに「特に若者層への投票参加を呼びかけてまいりたい」と加えた。なるほどこれが具体策か

▼「チャット」と「ロボット」を掛け合わせた言葉という。約70通りの想定問答を用意し、画面の質問項目をクリックすれば瞬時に回答が表示されるという

▼ただ「候補者は」と問うと候補者名が表示され、入場券の「届かない」を入力すれば入場券がなくても投票できる旨の案内―。内容がいささか若者をあなどっていないか。「政見放送」だと「どのような情報を」の問いと、選択肢として「放送時間」だけ表示される。なぜ二度もクリックしなければならないか

▼新聞読者とネットでニュースを見る人々の違いは、後者の場合、興味のある情報をどこまでも深く検索し知ろうとする性行があることと言われる。広く浅い情報をネットに用意しても効果が期待できないのは「県政だより」をデータ伝送に変えて撤回に追い込まれたことで実証済み

▼選管委員長談話が投票を呼びかけるのは投票率最低が心配された4月の知事選からか。それまで公正選挙呼びかけが中心だった。投票啓発はティッシュなどグッズ配りの域を出ない

▼情報はホームページにも掲載されているというが「知りたい情報にアクセスしてもらいやすくなった」と選管書記長。「知りたい情報」があるかどうかだ。県職員の負担軽減も期待されている。それなら分かる。