▼県産食材を使ってスポーツに励む人を応援する「みえ勝ち飯」のPRイベントで、みえの国観光大使の萩美香さんと渡邉信一郎副知事がトークショー。萩さんが「勝ち飯を食べて国体を盛り上げよう」とアピールし、渡邉副知事は「ぜひ家庭で勝ち飯の実践を」
▼ほおが思わず緩んだのは、写真のエプロン姿だ。県食材活用などで包括協定を結んだカゴメとのイベントで、やはりエプロン姿で奮闘しテレビで報道されたが、見ていた夫人から大いに不興を買ったという話を思い出したからだ。「エプロンをつけたことなど、家で一度もないのに」
▼「あれは仕事で、だなあー」と弁明に努めたが、理解は得られなかったという。だって、そうでしょうと不満やるかたなしの表情だったが、そういう問題ではないからだろう。夫人の不機嫌の真の理由は分からぬが、普段家庭では縦のものを横にもしない、あるいは男子厨房に入るべからずを絵に描いたような夫が、人前ではエプロンをつけ、男の料理を呼び掛ける。吹き出したりイラッとする妻がいても、ちっとも不思議ではない
▼少し古いが、総務省の平成28年社会生活基本調査によると、6歳未満の子育て期の夫婦で、県の夫の家事時間は6・3%で全国36位。5年前の前回調査と比べると、育児時間は29位から12位へ順位を上げたが、家事の方は37位。微増しただけだ
▼家庭の副知事も平均的県民の一人に違いない。今回「家庭で勝ち飯の実践を」とまで呼びかけてしまったわけが、仕事と私生活とのギャップとはいえ、夫人の理解が得られるかどうか。