2018年12月20日(木)

▼少数会派が求めた宿泊費の実費精算が、最大会派の新政みえや第二会派の自民党県議団などの反対で、県議会の検討プロジェクト会議は定額踏襲のまま削減案を提案する。県が県職労の反対で実費精算を断念したことをチェックできまい

▼「議会も監査委員もみんなグルだったんでしょ」と言ったのはカラ出張にメスを入れた北川正恭知事(当時)。チェック機関が正常に働かなかった、みんなで税金に群がって甘い汁を吸っていた、という意味である。いつか来た道を歩いている、胸が悪くなる感覚がよみがえる

▼県の実費精算断念は、県職労の反対もあるが「最終的には国が定額払いを採用していること」。最大会派らが主張したのは「県の特別職に合わせて定額とすべき」。県職員を抵抗勢力と呼んでいた北川氏はその理由を解説する。「倉庫の奥に埋もれている前例やルールを探し出してきて、これがあるので(改革案は)できないんですわ、と言ってくる」

▼「なかなか手ごわい。すすどい」とも。すすどいは「かしこくて行動に移すのがす早い、抜け目がない。わるがしこい」の意味の文語。知事就任前レクチャーで「さわやかとか、生活者起点とか、私の好きそうな言葉をふんだんに入れてくるんですわ」と笑ったときもすすどいと言った

▼国や特別職を持ち出すのは県職員の手慣れた論法なのだろう。自民が同調したのは持ち前の政治的打算が働いたか。校長ら3人が1台の車に便乗してそれぞれ旅費を請求して、処分を受けたことがある。同情心が湧いてくるのはグルの感覚に染まってきたのかもしれない。