▼読書の秋。鈴木英敬知事の本紙連載コラム『子どもたちに伝えたいこと』の10月分も「『良い本』と出会って」。高校生までの読書嫌いが「今は大の読書好き」で、きっかけが「良い本」との出会い
▼ジャンルは問わない乱読で、ネットや新聞、店頭などで目に付いたものを買い求める。最近読んだ本はと聞くと、即座に『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』をあげた
▼ノモンハン事件からインパール作戦、沖縄戦などを素材に太平洋戦争の敗戦原因を著者6人が歴史、組織論から究明する研究書。知事の思想的傾向と何やら合っている気がしたが、どっこい「(県に)不祥事があんまり続くんで原因は何か、どうすれば解決するのか悩みましてね」。ヒントを探したのだそうだ
▼わらにもすがる気持ちか。県産業支援センターが6月に続きメールの誤送信。前回「原因を究明して改善」と言っていたが、今回は「送信前に印刷したりダブルチェックしたりしてチェックを強化したい」。高校で退学・転学者名を誤送信したばかりの県教委は、障害者雇用率に続き、生徒の就職内定率に誤りと絶好調
▼ヒントは見つかったか。「北川県政で組織をフラット化してしまって、チェックとか検証部分が弱くなった。縦割り機構はある程度は必要で、修正しているがまだまだ」。負の遺産いまだ健在、ということか
▼ほかどんな本を―。「堂場瞬一の『宴の前』。これはあの県か、この市がモデルかなど、想像しながら」。「最も闇が深いのは地方知事選」をテーマに、候補者が熾烈な選挙戦を展開するストーリー。何のヒントに?