2018年10月1日(月)

▼自然災害頻発の時代とは聞いていたが、まざまざと見せつけられたのが今年の熱中症に台風だ。県の緊急部長会議も頻繁の感で、鈴木英敬知事の指示も携帯電話充電や「イベント中止の連絡体制の万全を」。より具体的になった

▼先の県議会での渡辺克己県土整備部長答弁が興味深かった。バックウオーターは県管理河川でも起こりえるが、38河川のうち未対策は7河川という。ではそれ以外は安全なのか

▼いつぞや河川の防災シンポジウムを開いたことがある。県河川課で下調べをし、県に河川は何本あるかの最初の質問でつまずいた。県が分かるのは県管理河川だけ。市町村管理のほかにも多数あり、数えられるものではないとあきれられた。渡辺部長は着実に整備していると答弁したのだろうが、だから県民は安心していいかは分からないのだろう

▼国などの「津の海岸を考えるシンポジウム」で前葉泰幸津市長が観光地としての御殿場海岸整備を解説し、知事は防災上からの整備促進を示した。先の台風で関西国際空港連絡橋にタンカーが衝突したが、24年前の台風で日本鋼管(現・ユニバーサル造船)に係留していたタンカー2隻が御殿場海岸に漂着した

▼堤防に衝突したら大惨事だが寸前で止まり、全国から威容を見ようと見物者が殺到しちょっとした観光資源になっただけで終わった。災害の「想定外」は進み、風化は早い。まして間一髪のケースなどは―。知事と津市長の報道を見て、関空被害と御殿場海岸の観光騒ぎを思った

▼高齢者等避難のエリアメールを見ながら、読者各位の無事を祈りつつ。