2018年7月13日(金)

▼「ごめんで済むなら警察はいらない」という。謝ったぐらいで許されるかということであり、謝るくらいならなぜ、そんなことをしたのかということでもあろう

▼私大支援事業を巡り逮捕された前文部科学省局長も「職務権限がない」「(息子の)得点の加点までは頼んでいない」。キャリア官僚は容疑、疑惑を簡単に認めようとしないのに、地方公務員はすぐ謝る

▼「殺される覚悟で(学校に)来ること」などと県教委職員を脅し、「生徒に命の大切さを指導する教員が学校教育に対する県民の信頼を著しく損なった」(廣田恵子教育長)として2カ月の停職処分を受けた50代の四日市農芸高教諭は「教師にあるまじき行動をして深く反省している」

▼3年前の全国産業教育フェアで県教委に不備があったと教諭は苦情を言い続けてきたという。「不備」とは、関係者への書類送付の遅れと駐車券の発行ミスなど。県教委は関係者に文書で謝罪したと言い、教諭は責任者が直接謝罪するのが筋と主張して譲らない。見解の相違もあるのだろう

▼県教委職員は相手にならず、処分を決めた担当課は「フェア全体に影響があったとは聞いていない」。校長や教頭に指導を指示したというから、本人にすれば直接向き合わず、権力で押さえ込もうとしているといきり立ったのかもしれない

▼子どものけんかのようではある。今後について、廣田教育長は不祥事で定番の「校長会議などの機会を捉え、服務規律の確保を徹底したい」。なぜ教諭にそうさせてしまったか、けんか相手の県教委も検証せねばまた繰り返されるに違いない。