2018年5月28日(月)

▼県内の消防団員が4年連続減少し、県は人口減少や高齢化、市町の定数削減を理由にあげる。いずこも同じ地域社会の崩壊も無縁でないのだろう。「22年ごろから減少傾向」というが、根はそれよりはるか前なのではないか

▼消防課長から少年消防クラブの紹介記事掲載の依頼を受けたのは20年以上前だ。地域の防災意識の向上には何といっても幼少期の体験が大きい。少年消防ク結成と活動促進に一つ、協力してくれという申し出である。一面に原則毎日掲載し、3カ月ほど続けたろうか

▼消防団員減少問題に直面し、県は「様々な施策を推進している」という。が、少年消防クについては指導者表彰程度で、具体的施策はホームページで見る限り何もない。人口減少や高齢化の波をもろに受けることになったのも分かる気がするのである

▼消防団員は地方公務員の非常勤特別職で、年額報酬が数万円程度、災害活動や訓練に出動した際の出動手当(1回数千円程度)が「支給されます」とあるが、対象は個人か組織か。「無報酬。年に1回、宴会はあるが」と4、5年前、団員に聞いたことがある。放水訓練は「とても水圧に耐えられない。放水は消防署職員で、われわれはホースの準備や支えるだけ」。地域で事情は違うのかもしれない

▼女性団員の増加が明るい兆しで、年1回の「青年・女性消防団員交流会及び研修会」を県は「支援しています」とし、抜けている年がある実績表を堂々と掲載している。「我関せず」なのだろう。備えあれば憂いなし、が防災の基本。備えなくして今憂いあり、ということか。