▼「弱い者が陰に回って虚勢を張り、威張ったり人の悪口を言ったりすること」―ことわざ「負け犬の遠ぼえ」の解説である
▼「定数の議論が紛糾したのに、正副議長選を既定路線にすれば議会の恥だ」と話す県議もいて「玉砕覚悟」で対抗馬擁立の動きもあったという。県議会正副議長選は、しかし、立候補したのは各一人だけ。大山は鳴動さえしなかった
▼大量の無効票が鳴動だという見方もあろうが、陰口に見える県民も多いのではないか。役員選出そのものに祭りのあとのような虚脱感やわびしさを感じる向きも少なくあるまい
▼特別委員会設置見送りも、議会停滞を印象づける。その年の県民の身近な課題に焦点を当てるのが特別委だが、三会派からの計四案がいずれも合意に至らなかった。定数紛糾の後遺症もあるのかもしれないが、それを超えて説得できるだけの課題を見つけられなかったということでもあろう。県民の要望の吸収力に陰りが出てきているのかもしれない
▼議長に名乗りを上げた前田剛志氏が議会定数についての第三者機関設立を提唱した。舟橋裕幸議長の政務活動費の後払い方式の公約が「残念」に終わったことが記憶に鮮明。議員報酬は適正と診断されて、平成21年の議会改革諮問会議答申がほとんど顧みられなかったことも思い出す
▼再度の議員定数特別委を巡り、代表者会議は「一事不再議の原則に反する」などの激しいやり取りがあったという。社会情勢は変化している。「(適用除外へ)会議規則を見直しておく必要がある」とした諮問会議答申など脳裏になかったに違いない。