大観小観 2018年5月5日(土)

▼携帯電話に先日、立て続けに不審メールが入った。削除したのであいまいな記憶だが、会社への経営参加に「招待された」のだという。毎月支払い義務が発生する。希望しないのであれば「手続きを」としてメールアドレスらしき英数字をクリックすることを指示している

▼ばかばかしいと削除したが、二度目の着信で「手続き」してみようかとアドレスをしばし見つめた。携帯電話会社によると、クリックしたら類似メールが殺到し、アドレスを変更しない限り防ぐ手はないらしい

▼三重県警のオフィシャルサイトによると振り込め詐欺の中の「融資保証金詐欺」の変形か。融資をしていないのに文書を送ってきて、申し込んできた人に保証金名目などで振り込ませる。そこまでには、アドレスをクリックさせてからもう一段階あるのだろうが、有料サイト未納金解決名目で200万円余をだまし取られた四日市市の女性の記事を見ながら、クリックしてしまったのだろうなと思った

▼有料サイトになぜ女性がと不思議だが、犯人は、理不尽な働きかけに行動を起こしてくる人をまず探しているのだろう。その中から好奇心旺盛な人や、影響されやすい人などを選別していく。何度も被害に遭う人が少なくないのはそのためだろう

▼戦後占領軍が蓄積したとされるM資金を原資にした詐欺が形を変えて継続している。これはどうかと取材経験のある記者に問い合わせたら「すぐに離れろ」と言われた。仕掛けは巧妙で、見破ることはできない、近づかないこと以外、防衛法はないという。詐欺というのはそういうものかもしれない。