2018年4月20日(金)

▼今度は給食の異物混入で、県立松阪あゆみ特別支援学校の報告が「遅い」と記者会見で明らかにした。廣田恵子県教育長にとって、記者会見とは威令の行き届かぬ組織内部を矯め直す場なのかもしれない

▼豚汁に金属製ネジが混入していた異物混入一度目の13日、県教委に連絡があったのは発覚から五時間後。そのため報道への公表が九時間後になったということなら文句の言える筋合いではないが、遅いなりに県教委が改善を指導した結果は3日後の16日に一つの答えが出ている。わかめスープにゴム手袋の破片が入っているという2回目の異物混入が発生した

▼再発防止策を講じたにもかかわらず同じ不祥事が繰り返されるという県教委のいつものパターンが今回も起きたわけだが、これについて廣田教育長は「注意が設備などに集中したのだと思う」。寛容になった気がするのは、今度は報告が早かったからか

▼教育長になって一番きついのは夜間の報道機関からの電話だと歴代教育長が語っていた。児童生徒が事件を起こし、そのコメントを求めてくる電話ではないかとぎくりとするのだという。廣田教育長も初めての事件事故に気が高ぶって、現場へ不満をぶちまけたのかもしれない

▼原因を究明し、再発防止を徹底し、再スタートしたとたん、また発生する。異物混入はまるで伝染病のようで「厳しくすればするほど、現場が緊張してまたミスをする」とかつて連続した鈴鹿市で市長がサジを投げていた。19日の再開後は「(安全性が)保証できるほど、きちんと確認している」(廣田教育長)。ご成功を。