昨年4月に三重県四日市市の雑木林で中国人女性の遺体が見つかった事件で、殺人と死体遺棄の罪に問われたフィリピン国籍で菰野町菰野、工員ジュニ・ジェルビン・ベルナデス被告(32)に対し、津地裁(西前征志裁判長)は25日、懲役16年(求刑懲役17年)の判決を言い渡した。
西前裁判長は「被害者に馬乗りになり、両手の親指に全体重をかけて首を絞め続けた」と説明。「計画性はなく、凶器も使用していないが、殺害に向けた強い気持ちがあった」と強調した。
「不倫関係にあった被害者に結婚のチャンスがあると伝えていたが、被告が別れ話をした。被害者が逆上したことはある程度理解できる」と述べ、「話し合いもせず、短絡的に殺害を決意した点は身勝手」と指摘した。
その上で「被告が自身しか知らない経緯を具体的に供述するなど、反省の態度を示している。妻や子の存在から、再犯の可能性が高くない」として、懲役16年が相当と結論付けた。
判決によると、ジュニ被告は令和5年7月22日ごろ、四日市市内に止めた車の中で、同僚の中国籍で同市まきの木台1丁目、工員趙霞(ジャオシャア)さん=当時(36)=の首を両手で絞めて殺害。遺体を同市中野町の雑木林に遺棄したとされる。