清掃センター建替えで住民説明会 鈴鹿市、計画理解求める 三重

【市の説明を聞く参加者ら=鈴鹿市徳田町の徳田ふれあい会館で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市は20日夜、同市徳田町の徳田ふれあい会館で市清掃センター=同市御薗町=の建替えに関する説明会を開き、地元住民16人が参加した。26、27日は各日午後7時から同市御薗町の御薗ふれあい会館で実施する。

同センターは市内から出る「もやせるごみ」を焼却するための施設として、昭和60年に稼働を開始。平成12、28年の大規模改修工事を経て、今後は老朽化に伴う建替えが必要になる。

施設の稼働について、市はこれまで、地域の自治会らで構成する「天名地区清掃センター対策委員会」と改築・改修工事の都度、覚書を締結。稼働期間を延長してきた。

現在締結中の覚書での稼働期間は令和16年3月まで。覚書では「清掃センターの新設、改築、増設を行わないこと」「改修後15年の後、稼働期間の再延長は行わないこと」を明記する。

一方、市は今後の建設予定地を検討する中で、令和6年度に「清掃センター施設整備基本構想」を策定。人口減少や資源のリサイクル化に伴うごみの減少により、施設規模が現在より小規模になり、現有地での建替えが可能になることが分かったという。

説明会では、現在の処理方法と同じストーカ式焼却炉だが、3炉から2炉に減少することなどを示し、市内唯一の工業専用地域で将来にわたり安定した管理運営が可能▽中勢バイパスなどの交通アクセスが良好―の2点を現有地の利点として挙げたほか、厳しい市の財政状況を伝えた。

澤卓男環境部長は「覚書の内容に反することになるが、現有地での清掃センターの建設について検討した」とあいさつ。

一通りの説明を終えた後、再度「市としてこれまで天名地区のみなさまと築いてきた信頼関係を崩すこと無く、引き続き誠意をもって事業に取り組んでまいりたい」と述べ、次期清掃センターの現在地での建替えについて理解と協力を求めた。

質疑応答では「色々意見は出ると思うが、異論を丁寧に聞いて、最終的に合意をどういう形で目指したら良いのか、市が責任を持って提案してほしい」「なんで覚書と違った方向に進もうとしているのか、これが一番重要なところ。覚書が軽く見られているイメージを持つ。まずみなさんにしっかりと理解してもらうことが重要」「全員の住民投票と新たな住環境整備の提示をしてほしい」などの意見が出された。