2025年4月17日(木)

▼コロナから「小さなお葬式」、安い葬式をPRしての家族葬が世間で一般的になった。豪華な、お金のかかる葬式を言うわけではないが、一生を頑張って生きた故人は誰もが、家族、親族だけとの関係ではなかったと思う

▼家族、親族、関わった多くの人たちに助けられ、助けての長い道程があったはずだ。それらの人たちも故人に最後のお別れと感謝ができないお葬式は、日本人の文化に大きなマイナスになるのではないだろうか

▼何十年も前のことだが、イタリアのとある街の教会の前を通った時に教会の扉が開き、お葬式の出棺に出会った。棺をかつぐ人たちの横からも多くの参列者が教会から出て、皆が一斉に拍手をし出した

▼日本には拍手の習慣がなく、その光景にはびっくりしたが、拍手する参列者の顔には故人に対する感謝の気持ちがあふれ出ており、宗教に関係なく故人を送る気持ちが人間として大切なことを思い知らされた。