伐採作業の安全を祈願 伊勢神宮「大麻用材伐始祭」 三重

【神路山に向かい手斧を振り下ろす工匠=伊勢市宇治今在家町の丸山祭場で】

【伊勢】伊勢神宮のお札「神宮大麻(たいま)」に使う木材を切り出す前に作業の安全を祈願する神事「大麻用材伐始祭(きりはじめさい)」が16日、三重県伊勢市の内宮近くにある丸山祭場で営まれた。

久邇朝尊(くにあさたか)神宮大宮司をはじめ、神職や職員ら約50人が参列。神事で、神職が祝詞をあげ、作業の安全を祈願した。続いて青い装束に素襖烏帽子(すおうえぼし)姿の工匠(こうしょう)が、木材を切り出す神路山の方角に向かって、手斧を左・右・左と3回振り下ろした。

神宮大麻の中心部「御真(ぎょしん)」に、伐採した木材が使われる。木材は乾燥させて製材した後、厚さ1ミリほどに加工し、和紙を巻き付けて御真となる。その後、一体ずつ大麻の中心に収められる。

神宮大麻は、毎年約1千万体がつくられる。9月中旬以降、全国の神社を通じて家庭に配られたり、神宮の神楽殿などで参拝者に授与される。