三重県知事「兵庫と違い不安ない」 年度始めあいさつ、パワハラ調査巡り

【職員らに新年度のあいさつを述べる一見知事(右端)=県庁で】

一見勝之三重県知事は1日、幹部職員ら約80人を県庁講堂に集めて年度始めのあいさつをした。「正義仁愛を胸に、おかしいことにはおかしいと言える県にしていこう」などと呼びかけた。

一見知事は、自らの言動に関する相談が職員向けのハラスメント相談窓口に寄せられたことに言及。通報者を詮索せず、外部の委員に調査を依頼するよう事務方に指示したと説明した。

「パワハラには該当しない」とする調査結果には「私自身の名誉も守られたが、一番良かったのは相当大変な兵庫県とは違い、県内で不安にさいなまれることはなくなったこと」と語った。

「他県やフジテレビの報道などとは違い、県庁では通報をうやむやにせずにしっかり対応したという事実がある」とも。「皆さんは安心して仕事をしてほしい」と呼びかけた。

調査結果で「職員とのコミュニケーションに改善の余地がある」と付言を受けたことには「私自身、至らないところが多い。反省し、変えなければならないことも多々ある」と語った。

自らを「国で働いていたときに要求水準が高いと言われたが、パワハラと言われたことはなかった」と説明。「人を見て要求水準を下げているつもりだが、今まで以上に注意する」と述べた。

一方で「窓口やメディアからのハラスメントを受けることもあったと聞く」と指摘。「正義仁愛を胸におかしいことにはおかしいと言い、困っている人に寄り添う県にしよう」と語った。

また、一見知事は「人口減による新たな課題が加速している」と述べ、県内で相次ぐ産科の閉院などを例示。「大事なのは先送りをしないこと。課題から逃げないで」と呼びかけた。