▼この4月から高校無償化が始まる。まず公立が実質的に無償化される。そして来年には、私立の授業料支援金が45万7千円に引上げられ、所得制限も撤廃される。予算審議での維新の要求を自公が丸のみした結果だが、すこぶる評判が悪い
▼なんと言っても、国民にとって大事な教育政策が単なる政争の具となり、質的議論が全くされなかったこと。また、先に無償化をした大阪府の政策を国が肩代わりする形になったことなどが指摘されている。さらに、都市部の「公立離れ」の進行、地方の「公立の荒廃」、私立の「便乗値上げ」なども指摘されている。実際、大阪では私立に生徒が集中し、半数の公立が定員割れになった
▼ただし、最大の弊害は、「教育格差」がさらに進むことと「教育の質の低下」だろう。教育の機会均等と質の向上が目的のはずが逆効果になりそうだ。また、財政負担が大きすぎ、将来の増税につながるという批判もある。無償化とは言うが、実際は少子化で経営が苦しくなった私立への補助金。生徒のためになるかは疑問だ。「タダより高いものはない」と言うが、まさにその通りになりそうだ。