天ぷら油回収、燃料化 BPコンでグランプリ

【グランプリの表彰状と使用済み天ぷら油を示す平川社長】

【度会郡】使用済み天ぷら油回収「ミライコネクト」(三重県玉城町佐田)の平川学社長(44)の事業計画「天ぷら油から造る地球環境に優しい燃料『リーゼル』」がこのほど、日本商工会議所青年部主催の第22回ビジネスプランコンテスト新規事業部門でグランプリを受賞した。使用済み天ぷら油から軽油と同等品質の燃料リーゼルを製造する施設を設け、販売していく。

リーゼルはリサイクルとディーゼルを組み合わせた言葉。植物に由来する脱炭素の燃料として売り出し、県内初の取り組みとなる。

平川社長は2年前に起業した。使用済み天ぷら油の回収先は、飲食店やホテル、介護施設、病院など県内500以上に上り、年間約200トンを集める。塗料や飼料の原料として活用される。

リーゼル事業は回収油の一部を使って開始する。国の補助金を得て、精製設備を同町野篠に今年設置する。地球環境にやさしいリーゼルをアピールし、回収先を増やす狙い。燃料は地元のバスやトラック、重機で活用し、エネルギーの地産地消を目指す。

平川社長は「脱炭素に貢献できる。使用済み天ぷら油から燃料を製造し、車を走らせる、協力してできる、という環境学習をしたい」と話した。