
【南牟婁郡】御浜町下市木のJA伊勢統一選果場で25日、タイ向け南紀産の不知火(しらぬい)とせとかの輸出検査があった。合格したミカンは貨物船などで輸送し、3月下旬から現地の店頭に並ぶ。
JA伊勢は、新たな販路開拓を図ろうと、旧JA三重南紀時代の平成22年度にミカンのタイへの輸出を開始。毎年2月に不知火とせとか、毎年11月に早生温州(わせうんしゅう)ミカンを出荷するという。
この日は、名古屋植物防疫所の検疫官2人が選果場を訪れ、無作為に抽出した段ボール箱から600玉のミカンを検査。一つずつ手に取り、ルーペなどを使って病害虫や傷の有無を調べていた。
本年度は御浜町産不知火(約3トン)と紀宝町産せとか(約4・4トン)を輸出する予定。現地では高い品質が富裕層に支持され、昨年は高級百貨店や量販店で日本の約2倍の価格で販売された。
選果場の営農かんきつグループ長、和田真一郎さんは「夏の寒波の影響で生育が遅れたが、甘みと酸味のバランスは良いと思う。他国産も流通する中、品質は群を抜いている」と話している。