2025年2月20日(木)

▼「不要不急の外出を控えるように」と知事から県民へ自粛要請が発せられたのはコロナ禍が拡大した時で、渡航自粛に次ぐ異例の発令で耳を疑った。議会からも「不要不急とは」を問う質問が出て緊迫感は高まった

▼昨夏は熱中症の猛威で不要不急の外出自粛が求められ、今冬は警報級の大雪の可能性で一見勝之知事が二日連続の臨時記者会見を開き「なるべく出かけないように」。天変地異が日常化した

▼警戒対象は北部中心だが、いなべから四日市市の大雪は珍しいことではない。膝上の長靴を履いていなべから県庁に出勤してくる職員を見て驚いたこともよくあった。今冬の予想は北中部と報じられたので、テレビの気象情報にくぎ付けになった。津市でも夜間から降り出した雪で、野外駐車場に止めた車は五センチほどの雪にすっぽり覆われた

▼能登半島の被災には及ぶべくもないが、自然災害の間隔が短くなっている気がする。折も折、欧州宇宙機関(ESA)が、小惑星の七年後の地球衝突の確率を2%程度と発表した。追突すれば2千平方キロにわたり樹木がなぎ倒された中央シベリア上空のツングースカ大爆発に匹敵するという

▼東電の福島原発事故の後、再発防止に取り組む電力会社との懇談で、小惑星衝突時の対策を聞いたことがある。核攻撃は想定していたが、小惑星対策はゼロだった。天変は日食、月食、彗星や隕石、台風、雷雨で、地異は地震、火山、洪水、津波。18世紀の中国の事典の分類で森鴎外が未完の書に引用したというが、対策となるといまだしである。