
【尾鷲】1人1箱分の古本を持ち寄る「熊野古道一箱古本市」を開いた実行委員会は18日、会場で集めた寄付金で購入した本10冊を、三重県の尾鷲市教育委員会に寄贈した。
同市九鬼町の書店「トンガ坂文庫」らでつくる実行委は、平成30年の初開催から毎年、会場に募金箱を設置。今回を含め8回で計87冊を市教委に贈呈している。
今年は同市向井の県立熊野古道センターに会場を移したことで、例年より多い約200―300人の来場があったという。寄付金で購入した本の総額は2万1087円。
図書は古本市に出店した青土社の新刊、漫画の秘密に迫る「フキダシ論マンガと声の身体」のほか、小説や歴史本、エッセーなどで、出店者らがお勧めの本を選んだ。
トンガ坂文庫の本沢結香さんから本を受け取った田中利保教育長は「興味が湧く本を多く用意してくれた。図書館に並んだら自分も長編小説を読みたい」と感謝した。
本沢さんは「毎回いろんな視点で本を選ぶ。図書館を利用して本を読んでほしい。寄贈はこれからも続ける」と話した。本は1週間後をめどに市立図書館に並べる方針。