「価格転嫁」事例交え説明 津で講習会、40人が受講 三重

【交渉術を伝えるつだ氏=津市丸之内の津商工会議所で】

伊勢新聞社は5日、津商工会議所と共催で「価格交渉講習会」を津市丸之内の津商工会議所で開き、約40人が受講した。

原材料価格が高騰する中、中小企業や小規模事業者の経営課題として悩みの多い「価格転嫁」問題の解決に向け開いた。

中小企業診断士のつだまどか氏が講師を務め、物価の動向や、下請法で禁じられている買いたたきなど取引に関わる法律を伝えた上で、交渉術などについて事例を交えて説明。下請けの中小企業などが取引先と価格交渉をする際の事前準備の大切さや交渉術を説いた。

つだ氏は「『適切な利益を確保するために値上げを行うことは正しいことである』という認識を持つことが値上げ交渉を行うには必要」と強調。

その上で「コストの把握と目標利益の設定がなければ交渉に力が入らない。業界統計資料や原価計算のための支援ツールなどを活用するなどし、準備することが必要。また取引先にとっての価値を包括的にとらえ、提供する価値を高めて、適切な対価を請求するという提案型値上げなどが望まれる」と述べた。