一見勝之三重県知事と池田豊人香川県知事は4日、菰野町菰野の複合温泉リゾート施設「アクアイグニス」で懇談した。防災に関する情報を両県の事務レベルで共有することを確認。災害時の応援協定を締結することも視野に関係構築を目指す。
一見知事は避難所への道順を案内する防災アプリの配信や津波避難タワーの整備といった県の防災対策を紹介。能登半島地震の被災地で活動した職員の気づきをまとめたことも紹介した。
池田知事は「香川でも南海トラフ地震による被害が懸念されている」と述べ、堤防の整備や道路の耐震化に努めていると説明。戸別訪問を通じて住宅の耐震化を呼びかけていることも紹介した。
公共交通を巡る懇談では、一見知事が公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)の普及に向けて取り組んでいると説明。鉄道の利用促進やバスの運転手確保に取り組んでいることも紹介した。
池田知事は、駅のトイレを洋式にするなどして地元の私鉄を支援していると説明。バスやタクシーの運行事業者には、二種免許の取得や就職説明会の開催などを支援していると紹介した。
一見知事は戸別訪問を通じて住宅の耐震化を呼びかける香川県の取り組みを「すごい」と評価。駅のトイレを洋式化する私電への支援についても「ぜひ参考にしたい」と語った。
観光振興や林業の活性化を巡っても意見交換した。一見知事は県内のインバウンド(訪日観光)が低迷していると紹介。池田知事はヒノキの利用拡大に向けたアドバイスを求めていた。
懇談に先立ち、両知事は半導体大手「キオクシア」の四日市工場(四日市市山之一色町)を視察し、同社幹部らと意見交換した。御在所ロープウエイ(菰野町菰野)も訪れた。
県によると、両知事は共に国交省出身。懇談は、一見知事が池田知事に提案したことをきっかけに実現した。両県知事による懇談は初めて。今後も年に一度のペースで懇談する。