
連合三重は3日、春闘に当たっての要請書を県に提出した。物価高を超える水準での賃上げを実現させるため、中小企業が労務費などを適切に価格転嫁できる環境の整備などを求めた。
要請書は「昨年の春闘では33年ぶりに5%台の賃上げが実現した」としつつ「生活の向上を実感している人は少数にとどまり、物価高が勤労者家計を圧迫している」と指摘した。
その上で、物価高を超える水準での賃上げには「中小企業が原資を確保できる環境整備が重要」と強調。国の指針を周知するなどし、労務費の適切な価格転嫁を徹底させるよう求めた。
このほか、中小企業の生産性向上や働きやすい環境整備に向けた支援、消費喚起の施策、最低賃金引き上げの周知なども要請。前年の要請に続いて公契約条例の早期制定も求めた。
この日、番条喜芳会長が県庁で一見勝之知事に要請書を提出。「物価高を超える賃上げによって経済を回してほしい」と述べ、適正な価格転嫁を支援する県の制度を周知するよう求めた。
一見知事は「中小企業は原材料高と賃上げで苦しい状態にある」とし、取引の適正化に向けた取り組みを進めると説明。カスタマーハラスメントを防ぐ条例の制定に向けた協力を求めた。
連合三重は春闘の賃上げ目標を、月給で前年より3千円高い1万8千円(6%)以上と掲げている。平成6年の2万円に次ぐ高水準。初任給の上昇を受け、中高年層への配分にも配慮するよう求める。