【熊野】三重県熊野市有馬町の世界遺産、花の窟神社で2日、春季例大祭があり、ご神体にかかる大綱を張り替える「お綱かけ神事」が営まれた。大綱を引くと無病息災の御利益を授かるとされ、多くの参拝者が参加した。
例大祭は日本書紀にも記され、1300余年続くとされる。五穀豊穣を祈り、年2回執り行う。ご神体の高さ約45メートルの巨石から垂らした約170メートルの大綱を東側へ引っ張る神事で、県無形文化財に指定されている。
おはらいを受けた白装束の「上り子」らがご神体の山頂に上がり、大綱の一端を巨石に固定。垂らしたもう一端は、氏子総代を先頭に参拝者らが七里御浜海岸まで引っ張り、引き戻して境内にある石柱に縛り付けた。
大綱がかかると、上り子らがご神体の山頂から14個の餅を投げた。山川均宮司が祝詞を奏上した後、有馬小5年の巫女4人が浦安の舞、豊栄の舞を奉納。来賓の河上敢二市長や谷川孝栄県議らが玉串を奉てんした。
初めて参加したという横浜市の小学4年、井上佳明さん(10)は「協力して綱を引っ張り、海が見えた時は感動した」、母の理枝さんは「新鮮な体験ができた。今年も健康に一年を過ごせたら」とそれぞれ話していた。