書籍との接点増やそう 無書店の御浜町、トーハンと連携協定 三重

【包括協定を締結したトーハンの金子支社長(左から2人目)と大畑町長(同3人目)=御浜町役場で】

【南牟婁郡】書店のない三重県の御浜町は30日、出版取次会社のトーハン(東京都)と包括連携協定を結んだ。書籍との接点を増やす環境整備やイベントなどで連携する。同社が県内自治体と同様の協定を結ぶのは初めて。

町によると、人口減などを背景に平成30年6月末、町内唯一の書店が撤退したことで、最寄りの書店は隣接する熊野市となった。協定締結は昨年10月、書店のない自治体との連携を進める同社が町に提案していた。

協定では、教育現場や図書館を拠点とする本に触れる環境の整備▽町内イベントでの読書活動の普及、啓発▽本を通じた地域活性化の推進―など4項目。町全体で読書の機運を高め、最終的に書店を誘致したい考え。

この日、町役場での締結式で大畑覚町長は「町民の本に親しむ機会が増える提案をいただき、ありがたい」と感謝。東海近畿支社の金子俊之支社長は「地域の文化、将来の子どもへの教育に貢献できれば」と話した。

出版文化産業振興財団の調査によると、昨年8月時点の全国の書店数は7828店で、令和4年9月時点から750店ほど減少した。無書店自治体は約28%、1書店以下の自治体は約48%。