一見勝之三重県知事は28日、ホテル津センターパレス(津市大門)で開かれた伊勢新聞政経懇話会で「三重県とことん発信!」と題して講演した。来年度予算は「ジェンダー平等に光を当てる」と強調。他県との比較でも低位にあるとされるジェンダーギャップの解消に向けて戦略を策定する考えも示した。
一見知事は昨年のジェンダーギャップ指数(経済分野)が都道府県との比較で46位だったことなどを挙げて「ジェンダーギャップは県が抱えるウィークポイントの一つ」と指摘した。
その上で、来年度にも女性の非正規雇用に関する実態調査を実施し、施策のニーズを把握すると説明。市町への補助などを通じて家事代行サービス利用者への支援を図る考えを示した。
インバウンド(訪日観光客)の回復率も「三重は全国最下位」と指摘。プロモーションの強化や宿泊施設の改修に向けた支援などに加え、インバウンドの戦略を検討する考えも示した。
講演の冒頭では、県が制作したプロモーション動画を上映。一見知事は「今後も3年に一度ぐらいのペースで新しい動画を作りたい」と述べ、出席者らにアイデアの提案を求めていた。
就任からの3年4カ月を振り返る場面も。「あっという間に過ぎた気もする」とし、災害対策や子ども政策の充実に努めてきたと紹介。「愚直な仕事だが、着実に進めてきた」と語った。
中でも公共工事は「国の交付金がなければ進まない」とし、国交省職員時代の経験を生かして予算獲得に努めたと強調。過去最大を更新した12月補正予算の公共事業費などを成果に掲げた。
締めくくりには、知事を務める理由を「地元に恩返しをしたいとの思いから」と語り、今後も国交省職員時代の経験や人脈を生かして職務に当たると説明。「帰る場所は三重県」と語った。
この日の政経懇話会は新春特別例会「新年のつどい」として開催。政財界などから約百人が出席した。講演後は賀詞交歓会を開催。鏡開きの後、前葉泰幸津市長の音頭で乾杯した。