三重県は21日、事前に登録した会員が車を共同で利用する「カーシェアリング」の社会実験を、津駅周辺の道路上で始めた。津駅周辺のにぎわい創出に向けた取り組みの一環。利用状況や効果などを調べ、本格導入の可否を検討する。
県によると、津駅東口のロータリーと県道津停車場線に2台ずつ、計四台のコンパクトカーを配置した。カーシェアリングを手がける「タイムズモビリティ」(東京都)が運営する。
社会実験は7月21日までの半年間。カーシェアリングの拠点となるスペースには、区画線や侵入防止のポールなどを設けた。実験の費用は約300万円。県から同社への支払いはない。
県は津市や国、都市計画の専門家らでつくる委員会を設け、津駅周辺の再編に向けた検討を進めている。令和4年と同5年には、津駅周辺にキッチンカーを並べる社会実験も実施した。
今回は鉄道を利用した後の移動手段としてカーシェアリングを確保することで、駅の利用者を増やす狙い。利用者や近隣住民にアンケートを実施するなどして効果や課題を調べる。
駐車場の一画などにカーシェアリングの拠点を設ける地方自治体はあるが、道路上を拠点にするケースは全国で初めて。実験に伴い、駐車スペースの一部を利用停止にしている。
実験は午前9時に始まり、この日は4台とも利用があった。県の担当者は「初日から多くの利用があり、驚いている。出張や観光、買い物など、さまざまな用途で使ってもらいたい」と話した。
利用には「タイムズカー」の会員登録が必要。インターネットで事前に予約し、利用後は元の場所に車を戻す。問い合わせはタイムズカー=電話0120(20)5037=へ。