津波避難ビル駆け上がる 屋上まで3分 住民ら体験会 尾鷲市、南海トラフ備え

【屋上までの避難経路を確認する住民ら=尾鷲市朝日町のNTT尾鷲ビルで】

【尾鷲】三重県尾鷲市は16日、津波避難ビルに指定されている尾鷲市朝日町のNTT尾鷲ビルで避難体験会を開いた。住民や自主防災会ら約30人が参加し、屋上までの避難経路などを確認した。

市によると、南海トラフ巨大地震に備え、住民らの防災意識を高めようと実施。同ビルは海抜25メートルに位置する屋上が指定緊急避難場所となっており、有事の際に最大200人を収容できる。

ビルを維持管理するテルウェル西日本の佐藤仁彦さんが、夜間や休日に閉鎖される門の自動解除装置について説明。震度5弱以上の揺れを感知すると、かんぬきが外れて敷地内に避難できる。

参加者らは佐藤さんを先頭に一列になって100段以上の階段を駆け上がった。5階と屋上をつなぐ階段を閉ざす門で、下部のストッパーを外すのに苦戦するも、約3分で屋上までたどり着いた。

市社会福祉協議会の上田香織さんは「身近な建物でも、中に入るのは初めてだった。階段の傾斜は多少きついが、避難の導線が分かりやすく、近所に高台があるのは非常に心強い」と話した。