【尾鷲】三重県尾鷲市天満浦の古民家「天満荘」で10日、建物の築100年記念企画展「海と船に魅せられて」が始まった。同市北浦町の杉本浩幸さん(64)が制作したカツオ漁船の模型6隻や大漁旗が並んでいる。20日まで。
代々漁師の家に生まれた杉本さんは、幼い頃から軍艦の模型作りが趣味だった。5年前に商船の航海士と機関士を定年退職し、本格的に漁船模型の制作活動を開始。これまでに作った漁船模型は数十にも及ぶという。
企画展では、漁船基地が尾鷲市内にあった遠洋カツオ漁船「第11山城丸」や、自身が操縦した漁船の名を冠した中型カツオ漁船「は満丸」を展示。模型の制作図面や船体の骨組み、は満丸の大漁旗なども設置した。
漁船模型は1隻あたり約半年かけ、うち半分以上の時間が厚紙での骨組みの作製という。制作図面が非公開の造船所が多く「自分の勘と知識だけを頼りに作り上げる」とし、船体を完成させる上での苦労を明かした。
杉本さんは「いかに実物に近づけられるかにこだわった。実物の50―60分の1くらいの大きさで再現した。懐かしい漁船を見て喜んでもらいたい」と話している。
午前10時―午後3時。14―17日は休み。