2024年12月18日(水)

▼津市の小学校敷地内で、小学生の女児にわいせつ行為をしたとして14日に逮捕された地方公務員は県職員だった。鈴鹿保健所の課長補佐級の50歳男性で「勤務態度に問題はなかった」。毎日机を並べながら隣が何を考えているか気にならない。現代社会を映し出していないか

▼警察の調べでは、事件発生は1日日曜日午後2時半ごろから同4時半ごろまでの間。友人2人で遊んでいた女児に声をかけ、うち1人が被害にあったらしい。詳しい動機などは今後の捜査を待たなければならないが、女児2人はもちろん、県職員も学校敷地内に立ち入れたようだ。休校日の学校の管理体制が気になる

▼児童8人が学校内に侵入した男に刺殺された付属池田小事件が発生したのは平成18年。不審者の学校侵入対策が求められ、校門の厳重管理が徹底され、対応訓練などが各校で実施されたが、休日に児童や不審者が学校側の知らぬ間に敷地内に自由に出入りできていたとしたらノド元過ぎて熱さを忘れたと言われても仕方ないのではないか

▼一見勝之知事は「県政への信頼を著しく損なうもので、非常に重く受け止めている」。が、容疑者から事実関係などを聞き取った上司は「捜査に影響を与える可能性がある」として結果を明らかにしていない。「捜査の状況を踏まえ、厳正かつ速やかに対処する」(一見知事)としているが、お決まりの再発防止策についての言及はない

▼ことは、教育施設内で県職員が起こしたという前代未聞の犯罪の疑い。厳正に処分して終わりとする話ではない。