「凡事徹底の経営」語る 伊賀で創業ビズカフェ、三十三総研の伊藤副社長 三重

【創業ビズカフェで基調講演する伊藤氏(左奥)=伊賀市平田で】

【伊賀】三重県伊賀市平田の大山田産業振興センターどんぐりホールで7日、「第13回創業ビズカフェ」(伊賀市商工会主催)が開かれ、同商工会主催の創業スクールを第1回(2007年)から第18回(24年)に修了した修了生15人が受講した。

創業スクールでも講師を務める三十三総研の伊藤公昭副社長が「凡事徹底の経営」と題して基調講演。伊藤氏は世界各地で本年実施された国のリーダーや議会の選挙で多くの政権政党が敗れ、これまでの世界秩序が来年以降変わること、失われた30年の中で実施されたリストラ策や成果主義などの人事施策、コロナ禍で拡大したリモート化の中で会社組織の劣化が進んでいることを紹介し、「原点回帰」が必要で、対策として「凡事徹底」が重要と強調。

また、経営者の役割として、①しっかりとした理念を持ち、明確な指針を示す②各役職の役割を明確にし、成員にその役割を認識させる③組織成員が志を持って仕事に打ち込めるよう、心理的安全性の確保に気を配る④「凡事徹底」=挨拶の励行、規律の順守、5Sの徹底、ホウレンソウの徹底、情報の見える化の五つを徹底―を示した上で、混乱時代のマネジメントとして論語に言及し、「孔子」の「仁」と「礼」の重要性を解説したほか、内部けん制を効かせるための「韓非子」の仕組みづくりについて解説した。

第2部の意見交換会・交流会は、自社の製品・パンフレットを持ち寄って事業拡大について紹介し合い、講師に助言を求める熱心な起業家、講師や先輩経営者の助言に耳を傾け、メモを取る起業予定者の姿などが見られたほか、起業家同士が旧交を温め合うなど、熱気に溢れる場となった。