スポーツ功労者顕彰受賞を報告 伊藤智也選手の主治医、真鈴川聡さん 三重・鈴鹿

【スポーツ功労者顕彰の受賞を末松市長に報告する真鈴川さん=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】10月に文部科学省のスポーツ功労者顕彰を受けた、三重県鈴鹿市飯野寺家町のますずがわ神経内科クリニック院長、真鈴川聡さん(59)が28日、同市役所で末松則子市長に受賞を報告した。

神経内科医の真鈴川さんは、パリ2024パラリンピック陸上の男子400メートル車いすのクラスで、銅メダルを獲得した伊藤智也選手の主治医。伊藤選手が多発性硬化症を発症した25年以上前から治療に関わり、競技活動を健康面から支え続けてきた。

東京大会の直前、伊藤選手の障害クラスがより軽度な「T53」に変更されたことから同大会では予選敗退。真鈴川さんは「身体機能的にありえない判定」と、これまで前例がなかった障害のクラス変更に尽力。

診断ガイドラインの改正に伴い診断が変更し、多発性硬化症とは別の病気「視神経脊髄炎」に病名が変わったことで再判定を求め、国際パラリンピック委員会から「T52」の認定を受け、今回の出場につなげた。真鈴川さんはメダル獲得に貢献したと評価された。

来庁した真鈴川さんは「パラリンピックは、クラスが違うと小学生と大学生くらいの差がある。伊藤選手は車いすをこぐ以外の筋肉はほぼ無い状態で『T53』は理不尽な判定だった」と振り返り、「彼のあり得ない努力に対して、主治医として手伝うことができて良かった」と話し、「ロスを目指す伊藤選手のアスリートパフォーマンスが最高になるよう、医療の面からサポートしたい」と抱負を語った。

末松市長は「市にとっても大事な選手であり、真鈴川先生の貢献度は大きい。これまでの経験や知見をもとに一緒に連携していければ」と話した。