【津】三重県津市一志町のボランティアガイド団体「一志町歴史語り部の会」が主催する年1回の歴史ウオークが28日、同町内であった。古墳時代から今につながる井関地区の史跡巡りに、事前に申し込んだ近郊の40人が参加した。
一行は「とことめの里一志」を発着点に会員の藤原正一さん(79)の説明を聞きながら、同地区の約4・5キロを歩いた。
東山集落の複数の民家敷地内に残る屋敷神や鏝(こて)絵のある蔵を巡り井関石の採掘場を見学。藤原さんは「2千―3千万年前の砂岩泥岩層が表面に出ており古墳時代から使われていた。明治村にある三重県庁舎玄関部分のアーチは井関石」などと説明した。
延命寺では井関石でできた県指定文化財の「くり抜き家形石棺」などを見学。真宗高田派の持花庵(じげあん)では東山自治会の上山慎一会長(60)が「地蔵堂のご本尊は弘法大師が作ったと言われる」などと説明した。
同町の山下良子さん(76)は「自分たちだけでは来られない場所で勉強になる」、白山町の前田良雄さん(75)は「ガイドの方々には地域の歴史を掘り起こし今につないでいただいている」とそれぞれ話した。