役割分担し「強盗犯」に対応 伊勢の桑名三重信金で防犯訓練

【短刀で職員を脅す強盗犯役の署員(手前)=伊勢市御薗町で】

【伊勢】金融機関への強盗事件を想定した防犯訓練がこのほど、桑名三重信用金庫御薗支店(保田光宣支店長、伊勢市御薗町新開)で行われた。職員や警察官の現場対応能力の向上を図る目的で、同支店の職員五人と伊勢署員五人が参加した。

訓練では、強盗犯役の男性署員が来店客を装って侵入し、受付係に「責任者を呼べ」と要求。支店長が前に出たところで、犯人役は持ってきたバッグから短刀を出して威嚇し、現金を入れるようバッグを差し出して要求した。犯人役は現金の入ったバッグを奪うと、「動くな」と怒鳴りながら逃走。支店職員二人が犯人を追ったほか、職員は犯人を特定するための着衣や身長などの身体的な特徴を、駆け付けた警察官に報告した。

同署の中村光輝生活安全課長は講評で「今回の訓練では犯人は受付窓口に集中し、後方職員には意識が向いていなかったため、後方職員が警察に通報する、犯人の身なりなどをメモするなどの行動ができたのではないか」と指摘。「支店内での役割分担を確認し、有事に備えてほしい」と総括した。

保田支店長は「防犯に対する各自の役割はしっかりと自覚しているが、どんな状況であってもあらゆる役割ができるよう改善していきたい」と語った。