津藩校有造館と齋藤拙堂を紹介 石水博物館で企画展、資料など40点 三重

【資料を解説する桐田学芸員=津市垂水の石水博物館で】

【津】津藩の藩校・有造館の資料や同校で活躍した学者・齋藤拙堂の生涯を紹介する企画展が、三重県津市垂水の石水博物館で開かれている。県内に残る古典籍や、齋藤家から寄贈を受けた資料など計40点を展示している。令和7年1月19日まで。月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始は休館。入館料1人500円。

有造館は文政3(1820)年、十代津藩主藤堂高兌(たかさわ)の命で創設され、建設には当時藩有林で現在同博物館がある千歳山の材木が使われた。

今展では藩校設立の経緯が分かる文書や藩校が注力した出版事業、三代督学をつとめた拙堂に関する新たな収蔵資料を展示。一大事業として出版され、津藩が「天下の文藩」と世に知られるゆえんとなった中国の史書「資治通鑑(しじつがん)」148冊、拙堂の肖像画、拙堂と親交のあった学者や門人が書いた「寄書『蘭秀菊芳(らんしゅうきくほう)』」などを見ることができる。

担当の桐田貴史学芸員(30)は「先人の思いが詰まった資料に触れ、津藩がいかに文化的に進んだ存在だったかを知る機会になれば」と話した。