乾漆彫刻展「漆の国の妙な世界」始まる 名古屋で彫刻家・横田千明さん 三重

【作品についてギャラリートークで話す横田さん(右から2人目)=名古屋市天白区のギャラリーノイボイで】

三重県いなべ市大安町の彫刻家、横田千明さん(38)の乾漆彫刻展「漆の国の妙な世界」が、名古屋市天白区のギャラリーノイボイで開かれている。24日はギャラリートークが行われ、横田さんが作品の見どころや技法、制作工程などについても話し、来場者が聞き入った。

横田さんの作品は、奈良時代に中国から伝来した漆工技術で、奈良・興福寺の阿修羅像(あしゅらぞう)などの仏像作りにも使われた「乾漆」という技法を採り入れているのが特徴。

制作に漆を使う。始めた頃は漆が手指に少しついただけで、ひじのあたりまでかぶれが広がり、かゆくて眠れなかったというが、「20年近く続けているとそこまでではないが、今でも時季や作業の内容、体調によって、かぶれることがある」と話し、来場者の質問にも答えていた。

会場には、英国の作家ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」に登場する300年以上前に絶滅した鳥「ドードー」をはじめ、ネコやアオムシなど、物語の世界をイメージして制作したという作品10点ほどが並ぶ。横田さんは「ぜひ会場で妙な世界観を感じて、楽しんでもらえたら」とPRしていた。

作品展は12月1日まで。横田さんは26日、30日と最終日(いずれも午後1時から同4時ごろまで)は、在廊する予定という。

ギャラリーの営業時間は正午―午後6時(最終日は午後5時まで)。問い合わせは同ギャラリー=電話052(836)2058=へ。