児童相談所と三重県警は22日、津市高茶屋4丁目の県警察学校で合同訓練を実施した。虐待が疑われる児童を児相職員と警察官が共同で一時保護する手順を確認した。
合同訓練は平成23年度から毎年実施している。訓練には児相職員と警察官計45人が参加。同校の模擬家屋を使用し、生後7カ月の男児への虐待が疑われる家庭を想定して訓練した。
任意で児童の安全を調べる「立ち入り調査」では、調査を拒む父親を児相職員が説得。家に入って父親と母親を異なる部屋に移動させた後、男児の安全を確保した。
裁判所の許可状を得て強制的に家に入る「臨検・捜索」では警察官が専用の工具でドアチェーンを破壊。暴れる父親を警察官が取り押さえ、児相職員が母親から男児を預かって一時保護した。
難波正樹県警本部長は「近年は官民を挙げて児童虐待の防止に取り組んでいるが、痛ましい事件が後を絶たない。個々の事案に関して最悪の事態を想定し、最善の措置をしてほしい」と話した。
昨年度、県内で児相が対応した児童虐待の相談件数は2162件。昨年5月には、津市で母親から虐待を受けた女児=当時(4つ)=が死亡する事件が発生した。