生徒の胸を蹴る体罰 三重県教委、県立高教諭を文書訓告

教え子を蹴るなどの体罰をしたとして、三重県教委は12日、県立高校の30代教諭を文書訓告とした。教諭は県教委の聞き取りに「生徒の様子に腹を立てた」などと説明している。

県教委によると、教諭は9月6日、学級担任として受け持つ1年の男子生徒に対し、右胸付近を足の裏で蹴り、右手の指先で頬をたたいた。生徒は後方に倒れたが、けがはなかった。

教諭は当時、この生徒を学校内の部屋に呼び出して問題行動に関する聞き取りをしていた。生徒に対して「反省の様子が不十分だ」と腹を立て、履いていたスリッパを床にたたきつけた。

生徒が別の教員に相談して発覚した。教諭は生徒と保護者に謝罪。「生徒の心に消えない傷を与え、深く反省している。指導するうちに感情が抑えられなくなった」などと説明している。

福永和伸教育長は12日の定例記者会見で「公教育に対する信頼を損なったことを深くおわび申し上げる」と陳謝。「一対一での聞き取りは避けるよう、改めて各学校に周知する」と述べた。

一方、県教委は過去に同様の行為がなかったことや、生徒にけががないことなどを踏まえて処分は見送った。教諭の性別は「今回の公表基準には該当しない」として明らかにしていない。