2024年11月7日(木)

▼前回10月31日の知事定例記者会見は19―25日の欧州訪問の帰朝報告で、フランスの旅行会社と県内旅行を促すMOU(覚書)を締結したと、成果をアピールした。今回の5日の同会見は、伊勢茶の魅力を発信するキャンペーンを11日から来年1月31日まで実施するという内容

▼連続して観光施策となったのはたまたまではあるまい。9月4日の東海3県2市知事市長会議で、県内の外国人観光客数はコロナ禍前の令和元年と比較すると毎月、おおむね60%前後の回復率で、東海3県で最低。「恥ずかしいが」と一見勝之知事は、6月に関しては都道府県で最下位の51・4%であったことを報告した

▼恥ずかしかったのは、伊勢志摩をはじめ日本有数の観光地を抱える県として、お粗末な結果となったことの情けなさか。それとも、特殊法人国際観光振興会に出向し、パリ観光宣伝事務所に駐在して観光施策の実務を経験した面目にかかわるということか

▼会議から6日後の記者会見で浮上策を問われ、知事は国内とインバウンドの両面の対策が必要と語った。海外のプロモーションと並行して、インバウンド客に魅力あるメニューを整備していくという。伊勢茶の魅力発信は、好まれるメニューと見立てたか

▼インバウンド誘致は知事就任以来力を入れようとしてきたが、コロナ禍などで思うに任せぬまま不名誉な経過をたどり、実績として胸を張れない状況が続く。今度こその思いが強いに違いない。出生数70万人割れの衝撃二の次にしてしまうほどではあるまいが。