三重県内の経済団体などでつくる「21世紀のエネルギーを考える会・みえ」(小川謙会長)は31日、鈴鹿市飯野寺家町の鈴鹿商工会議所で「地区別講演会」を開き、ユニバーサルエネルギー研究所の金田武司社長が「世界情勢から見える日本のエネルギー問題」と題して講演した。会場とオンラインで計70人が参加した。
同会は脱炭素社会の実現を目指し、毎年県内三カ所で、エネルギーや環境問題をテーマに講演会を開いている。
講演で金田氏は、日本が石炭、水力、石油、天然ガスと、時代とともにエネルギーシフトを歩んだことについて、「急峻な山や急流な川などの自然や燃料輸送のための良好な港など日本独自の恵まれた条件がそれを可能にした」と紹介。エネルギーを自給できない日本が輸入に頼っている現状について「我々が稼いだ数十兆円のお金が我々を豊かにすることなく海外に逃げている」とエネルギーを海外に依存する危険性を指摘した。
世界最大級の産油国サウジアラビアが米ドルによる産油取引を停止し、中国元やインドルビーで取引開始していることやBRICSの国内総生産(GDP)が急拡大していることを取り上げ、「世界で起きていることを知り、日本の現状を客観的に見る力が非常に重要になってくる」と訴えた。