2024年10月27日(日)

▼12日間の舌戦を終わり、第50回衆院選は今日27日、投開票される。石破茂総理大臣が就任してから投開票日まで戦後最短だったが、3年ぶりの総選挙でもある。その間の自公政権を審判する選挙ともいえよう

▼クマの出没情報があったせいでもあるまいが、津市郊外ではこれまで以上に選挙カーを見かけなかった。静かだったのは賀すべしだが、新聞の『私の1票』などに載った有権者の声と、各候補者の政策・公約は、似ているようで温度差がいつも以上に感じられた

▼本紙26日付『私の1票』は3人が登場し、サブタイトルが「候補者に思い託す」。大紀町の72歳の宿泊業の女性は、21歳で嫁いでから地域の発展はなく、コロナ禍からの回復もなく、諸経費の高騰に不安を抱える

▼四日市市の61歳の美術館学芸課主任は日本の情緒的外交に不安を募らせ、津市の52歳の会社経営者は中小企業に寄り添った政策、地域創生に結びつく文化支援に期待した。いずれもが、それぞれの思いを候補者に託そうとして、1票を投じる先を見極めようとしている

▼庶民の切ない願いが伝わってくる。障害児童を持つ41歳の母親は、児童手当の所得制限が撤廃されたのに、障害児手当はそのままと訴えていた。パートの賃金が上がり、扶養手当の上限に達して働ける時間が短縮され、主婦のパートに労働力を頼っていた学童保育などが人手不足や同僚へのしわ寄せの矛盾に首をかしげる

▼まずは投票所に足を運び、「よりましな候補」を見極め、思いを託そう。