衆院選三重2024 候補者の横顔【3区】

【右から石原正敬候補、伊藤雅史候補、岡田克也候補】

石原正敬候補、時々を楽しむ風雲児

菰野町長や県議を務めてきた立場から、地方創生にかける思いは特に強い。経済、公共交通、防災、郵便網など、地方を巡る多分野の課題や解決策を細部まで熱く語る。

初挑戦の前回は小選挙区で破れるも比例復活。当選後はスタッフや資金の確保に腐心した。「東京でゼロから小規模事業者を立ち上げるようなものだった」と振り返る。

岸田前首相に近く、携帯電話で連絡を取る。新聞の「首相動静」にも、たびたび登場。思い悩む宰相をそばで見てきたこともあってか、なってみたい思いは「一切無い」
ラジオの番組名や県議会の会派名など、随所に「風雲」を使ってきた。「その時々を楽しめば良いとの思いから」。岸田前首相には、演説で「風雲児」と紹介された。

一日の中で印象的だったことを俳句にする「毎日一句」は始めて13年目。読書も好きで、文藝春秋や文庫本などを楽しむ。最近読んだ本は伊藤昌哉の「自民党戦国史」

伊藤雅史候補、大震災支援を契機に

四日市市議を経て昨年の県議選に出馬するも、落選。党員から強く勧められ、維新公認で国政への挑戦を決めた。「まずは減税」が合言葉。議員所得の削減を訴える。

陸上の選手や指導者に憧れ、四日市高から順天堂大体育学部に進学。箱根駅伝には出場できなかったが、卒業後は実業団の選手として活躍。国際大会にも出場した。

もともと政治は嫌いで「家族を守れれば良いぐらいだった」。東日本大震災のボランティア活動をする中で政府の対応に憤りを覚えたことをきっかけに政治家を志した。

性格は「頼まれたら何でもやる」。いなべ市役所勤務や学習塾、スポーツクラブの運営など、手がけた仕事は多彩。駅伝のコーチを務め、箱根駅伝の選手も輩出した。

昨年の県議選以降は休みなし。平日の朝には必ず街頭演説。「フルマラソンを走る気持ち」。スポーツと政治の共通点を「正しい方法で努力することが大事」と説く。

岡田克也候補、おにぎりが昼食定番

11回連続当選のベテラン。旧民主党政権では副総理や外相を務めた。「政治を変える唯一の手段は政権交代」と強調。実現の可能性は「七割」と自信を見せる。

裏金問題で自民が逆風でも「(民主党政権が誕生した)二〇〇九年のような盛り上がりはない」としつつ「政権交代を求める国民の静かな声」に手応えを感じている。

中川正春氏の引退で、県内の候補者としては最高齢に。「だんだん友人らが引退していく」。だからこそ「野党だけでなく、信頼して話ができる人を大事にしている」
9月までは党幹事長として全国各地を飛び回った。この三年間で見た映画はクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」だけ。「本当はゴジラが見たかった」
最近の昼食はコンビニのおにぎり一個と小さなおかずが定番。「あさりしぐれのおにぎりが置いてあるとうれしい」。趣味はカエルの置物収集。座右の銘は「大器晩成」