【北牟婁郡】三重県の紀北町地域包括支援センターは11日、同町三浦の町立三浦小学校で、認知症キッズサポーター養成講座を開き、5、6年生4人が講義と寸劇を通じて認知症への理解を深めた。
町によると、認知症に対する正しい知識を身につけ、患者の支援や見守りができる子どもを増やそうと、同センターの職員が講師となり、町内の全小学校の6年生を対象に毎年開催している。
この日は、同センターの保健師、小倉あずささんがスライドを使って認知症の特徴を説明。児童らは、物忘れが多く思考が止まりやすいこと、現在の医療では完治が難しいことなどを学んだ。
センター職員と認知症地域推進員が、認知症患者の祖母役とその孫役に扮(ふん)して寸劇。同じ話を繰り返す祖母に対し、孫はどのように声をかければいいか、正解例と不正解例の二つを紹介した。
小倉さんは「認知症患者と関わるときは、驚かせない、急がせない、心を傷つけないの『三つのない』が大事」と強調。「笑顔でゆっくりと、短い文章で優しい態度で話しかけて」と語った。
6年生の宮本珠里さん(12)は「認知症は脳の病気で、心の病気ではないと初めて知った。周りに患者がいたら、態度や話し方に気を付けて優しく接したい」と話した。
講座を受講すると、認知症キッズサポーターに認定される。町内には11日時点で、1159人のサポーターが登録されている。本年度は3月末までに、新たに74人が登録される予定。