伊勢神宮に「御幣鯛」奉納 愛知・篠島から船で、大漁旗掲げ 三重

【「太一御用」の旗を掲げ神社港に入港する船団=伊勢市で】

【伊勢】三重県伊勢市の伊勢神宮の神嘗祭に供える鯛の干物「御幣鯛(おんべだい)」を乗せた船が12日、愛知県南知多町の篠島から伊勢市の神社港に入港した。船から下ろされた御幣鯛は、内宮に奉納された。

【木遣り歌で御幣鯛船を歓迎する子どもたち=伊勢市で】

神宮への奉納を意味する「太一御用」ののぼりや大漁旗を掲げた6隻の漁船に、篠島漁協の関係者ら約50人が分乗し、伊勢湾を渡って神社港に到着。唐櫃に納めた御幣鯛160枚が、陸揚げされた。港では大勢の地元住民が出迎え、地元の子どもたちが元気な木遣り歌で歓迎した。

篠島はかつて神宮領とされ、古くから塩漬けして干した鯛を神宮に納めてきた。船での奉納は、昭和初期に途絶えたが、島の若手漁師から声が上がり、平成10年に復活させた。

篠島漁協の榊原満男組合長は「行事を通し地元の皆さんと絆を深めたい。神宮と篠島のつながりや、先人たちの思いを次世代につなげたい」と話した。歓迎式の後、一行は内宮へ向かい、鯛を奉納した。