<衆院選三重選挙区を行く・2区>大票田の鈴鹿が鍵に 屈指の激戦区、立民「世代交代」で挑む

前職と新人の一騎打ちとなった前回から一変し、4人が立候補を予定する。2選を目指す自民前職に立民、維新、共産の新人3人が挑む構図。今回も県内屈指の激戦区となる。

自民前職の川崎秀人氏は前回、父で厚労相などを務めた二郎氏の後継で出馬。立民のベテラン中川正春氏を破って当選した。前々回は中川氏に破れた自民としては快挙だった。

ただ、その差はわずか990票。今回も激戦が予想される。川崎家が長年をかけて築いた伊賀地域の地盤を死守しつつ、大票田の鈴鹿市でも支持を広げられるかが鍵となる。

川崎氏は先の総裁選で支援していた小泉進次郎選対委員長を、近く応援弁士として県内に招く予定。選挙戦では1期目の実績に加えてインフラ整備の重要性なども訴える考え。

一方、前回は川崎氏の勝因とされた「世代交代」は今回、立民の側に回る。立民は引退する中川氏の後継として、過去4回の県議選で連続当選した新人の下野幸助氏を充てる。

議員経験は川崎氏より長いが、伊賀地域での知名度は川崎氏に及ばないのが実情。「相手は前職。大変厳しい情勢」と下野氏。出馬表明の昨夏以降は鈴鹿市外でも活動に励む。

また、連合三重は下野氏を含めて県内全ての立民候補を推薦するが、一部の産別労組は前回に続き、立民候補への推薦を見送る。旧民進系が一枚岩となれるかも勝敗を分ける。

一方、過去2回は2区への擁立を見送った共産だが、今回は新人を充てることにした。原発や安保法制に対する考えの違いから、立民との候補者調整は行われなかったという。

その共産が擁立したのは元県議の新人、山本里香氏。四日市市議や同市選出の県議を2期ずつ務めた経験などを生かし、教育施策の充実やジェンダー平等の実現などを訴える。

維新は新人の森口あゆみ氏を擁立。維新が2区に候補者を擁立するのは、現行の区割りとなってから初めて。維新の支持層が多い伊賀地域を中心に、支持拡大を図りたい考え。