医療体制確保に協力を 尾鷲市長、三重県知事に求める 円卓対話で意見交換

【市の諸課題を話し合う加藤市長(左)と一見知事=尾鷲市向井の県立熊野古道センターで】

【尾鷲】尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで8日、一見勝之知事が県内全市町の首長と意見交換する「円卓対話」が開かれた。加藤千速市長は医療体制の確保や林業政策の必要性を唱え、県の協力を求めた。

同市での円卓対話の開催は、令和4年10月以来2度目。加藤市長は尾鷲総合病院(上野町)の医師不足について、自治医大からの内科医派遣に感謝しつつ、前回に引き続き「病院の存続には安定した医療人材の確保が必要」と訴えた。

一見知事は「県は医師や看護師の数が増えているが、まだ充足はしていない」とした上で「南部で働くメリットがないと来ない」と説明。内科医の人数は、今後市と話し合いの場を設けて調整すると明言した。

また、加藤市長は尾鷲三田火力発電所跡地に大型製材工場を誘致し、木材を年間30万立方メートルほど流通させたいと強調。県内の木材調達可能量の把握を求めたほか、林道整備や再造林事業、林業従事者などへの補助の拡充を要望した。

一見知事は、製材工場について「地域の活力を高める」とした上で「県も(誘致を)最大限応援することを約束する」と改めて主張。木材の調達に関して、2月に奈良県の山下真知事を通じて吉野町に協力を依頼したと明らかにした。