2024年10月3日(木)

▼「県が(人口減対策を)サボっていた可能性がある」という一見勝之知事の過去の発言を、県議会一般質問で中嶋年規議員が取り上げた。「県行政の怠慢で課題解決が進んでいないと思われる」と続けたから、問題発言というとらえ方か

▼残念ながら人口減は現実、と答弁で一見知事が切り出したのはそんな意図を察知した上でか。「私の在任中も含め、手を付けていなかった部分もある」と、「サボっていた」発言に比べてまろやかだ。過去の対応について「全て正しかったのか。全て間違っていたわけでもないと思う」など軌道修正を図っているようにも見える

▼そのポストを目指す時と、着任してから後とでは、発言や振る舞いが変わってくるのは石破茂首相を見ても分かる。どのあたりで変わるかは個人差があるが、一見知事が就任直後に放った「(人口減少対策に特化した)課がないことに驚いた」という発言は衝撃的だった

▼「地域少子化対策強化計画」(単年度計画、平成26年)があり、県子ども・福祉部に少子化対策課があり、婚活や移住政策など進めていたが、はた目では“課がない”状態だったということだろう。行政は結果責任、という金言からすれば、人口減は「県行政の怠慢」という指摘が決して的外れとは言えない

▼天に向かって唾を吐くことにならぬかなどと一見知事は気にしてはなるまい。「できていなかった部分」について、厳しく糾弾して反省を迫らなければならない。「私の在任中も含め」ということなら、より苛烈になって、しかるべきだ。