返礼品開発などに貢献 尾鷲市地域おこし協力隊、石井さんが任期満了報告 三重

【制作した手ぬぐいを手に活動を報告する石井さん(右)=尾鷲市役所で】

【尾鷲】令和2年10月に三重県の尾鷲市地域おこし協力隊に着任し、9月末に任期満了を迎えた石井亜由美さん(48)が30日、市役所で加藤千速市長らに活動終了を報告した。

石井さんは北九州市出身。ふるさと納税を通じて、特定の自治体と継続的に関わりを持つ「関係人口」を広げようと、新規返礼品の開発やデザイン制作に取り組んだ。

市政70周年記念事業のロゴマーク、返礼品に同封する寄付のお礼状なども制作。港まつりに訪れた寄付者の「また寄付するよ」との言葉が印象に残っているという。

任期を振り返り「この4年間は本当に貴重な経験ができた」と強調。市職員やほかの協力隊員と意見を交わし「一緒に尾鷲の未来を作っていく日々だった」と話した。

任期後は市内を拠点に「デザイン一歩」の屋号で幅広くデザイン活動を展開する予定。「アートは生活を豊かにする。こういった形でも貢献できたら」と意気込んだ。

加藤市長は「ふるさと納税の考え方をたくさん提案してもらった」と感謝。長年平行線だった寄付金額が一気に上昇したといい、「大事な旗振り役だった」と話した。

市によると、市はこれまで38人の隊員を任命してきた。現在は13人が遊休農地の活用や移住の促進などに取り組んでいる。10月に新たに5人の隊員が着任する。