「蓮台寺柿」出荷始まる 伊勢市天然記念物

【出荷が始まった蓮台寺柿=伊勢市藤里町のJA伊勢蓮台寺柿共同選果場で】

【伊勢】三重県伊勢市の天然記念物「蓮台寺柿」の出荷が、同市藤里町のJA伊勢蓮台寺柿共同選果場で始まった。

約350年前の江戸時代から市内で栽培されている蓮台寺柿。渋柿のため、収穫した後、炭酸ガスを使い一晩かけて渋みを抜く。舌触りが柔らかでまろやかな甘さが特徴だ。

初出荷の25日は、生産者の女性たちが、各農家から運び込まれた柿の傷や色づきを確認した後、機械で大きさを選別し、箱詰め作業が進められた。

JA伊勢蓮台寺柿部会では38軒の農家が、藤里や勢田町などの約15ヘクタールで生産している。今年は夏場の高温やカメムシによる被害で、例年に比べ収穫量は大幅に減少となりそう。収穫は11月中旬まで続く予定で、県内を中心に100トンほどの出荷を見込んでいる。

大西信孝部会長(75)は「夏の干ばつなどの影響で小玉の傾向だが、その分甘味は増している。収量は限られるが、伊勢にしかない柿をぜひ味わってほしい」と話していた。